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飲食店の社員が遅刻した。経営者「罰金5千円ね!」←これって違法?

遅刻のイメージ画像

飲食店にはびこる悪い習慣はいくつかありますが、遅刻に対する罰金制度もその一つです。

タイムカードの機械のそばに「遅刻一回につき5千円の罰金!」なんて書かれた紙が貼られていたりしませんか?

すでに、罰金を払わされたことがある、という人もいるかも知れませんね。

昔はそういう飲食店はよくありましたし、筆者も実際にそういった職場を2カ所ほど経験しています。

 

遅刻した従業員に対する罰金制度は、法的に許されるのか?

結論からいうと、会社が勝手にそんな決まりを作ることは、従業員が納得していたとしても、違法にあたりますから、本当に罰金を払わせたり、勝手に給料から差し引いたりすることはできません。

労働基準法 第16条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

労働基準法に違反しているので、訴えたら経営者は「懲役6カ月以下、もしくは30万円以下の罰金刑」が科せられることになります。

もちろんあなたが、他の従業員やアルバイトから、罰金を受けとったりすれば、あなたが訴えられる可能性もあるわけです。

 

ただし、遅刻をしてもまったくペナルティを受けなくてもいい、というわけではありません。

欠勤控除
・減給の制裁

会社は、罰金制度の代わりに、「欠勤控除」と「減給の制裁」という制度を用いて、遅刻した従業員にペナルティを与えることができるのです。

その条件をみてみましょう。

欠勤の控除

飲食業だと契約書なんて交わしたことがない!という人も多いかも知れませんが、一般的には雇用者と労働者の間では、雇用契約書によって、働いた時間に対して賃金が支払われるという契約が交わされています。(ノーワークノーペイ)

つまり働いていない時間(遅刻した時間)に対しては、賃金をカットすることができるわけです。

10分遅刻すれば、時給計算した10分にあたる額を、会社は給料から差し引くことができます。

例えば、時給が1,000円だとしたら、約167円が引かれることになります。

フェアといえばフェアですが、それで遅刻が帳消しになるというのは、他の従業員は納得できないかも知れませんね。

減給の制裁

就業規則に定められていれば、会社は遅刻した従業員に対して、給料から減給するという制裁を加えることができます。

労働基準法 第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

 

罰金と変わらないのでは?という方もいらっしゃるかも知れませんが、就業規則に定められていなければ無効ですし、1回の額は平均日給の半額で、上限が対象の月の月給の10分の1までという決まりがあります。

例)月給が24万円で、平均日給が8,000円とします

1回だけ遅刻をした場合の減給額は、日給の半額の4,000円で、2回で8,000円、3回で12,000円と増えていくわけですが、上限は24万円の10分の1なので、24,000円を超えて減給されることはないということになります。

1回につき4,000円の減給、24,000円が上限

ちなみに「就業規則」は、労働基準法の範囲内で定めることができる会社の規則のことで、会社は従業員に周知させる義務があります。

もし就業規則がなかったり、従業員がいつでも見ることが出来る状態になければ、それは会社の落ち度なので、「減給の制裁」は適用されないと考えていいでしょう。

飲食店でアリがちな、遅刻の罰金制度まとめ

筆者は遅刻をしないタイプなので、あまり気にしたことはありませんでしたが、ひどいところだと、給料に3万円の皆勤手当てが含まれているので、1回遅刻すると3万円も減給され、ボーナス(約15万円)もなくなるというところがありました。

つまり遅刻一回で18万円失うわけです。

その会社は極端でしたが、飲食店は営業時間も決まっているし、店のカギを開けないと他の従業員や、業者さんが入れなかったりなど、遅刻されると困ることが多いのも確かです。

ジュンイチ
ジュンイチ
遅刻する人って、何回も繰り返すんですよね。

 

でも勝手に罰金のペナルティを与えることは、法律違反だし、法に乗っ取った減給の制裁であっても、従業員の働く意欲を奪って、結果的に店にとってマイナスになってしまうこともあるので、注意しなければいけません。

まとめ

・罰金制度:労働基準法違反、罰則あり
・欠勤の控除:働かなかった分だけ給料から引く
・減給の制裁:月給の10分の1が上限で、就業規則で定める必要あり

 

遅刻をする人がいるのも、罰金制度を行うのも、いい労働環境とは言えないですね。

今どきそんな”違法行為をしているような会社”に、居続けても未来はありません。

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