飲食店で働いていると、飛びかうのが”社員の連勤自慢”ですよね。
「今月もう2週間連勤だよ。」
「俺なんて、すでに24連勤だぜ。」
完全な”社畜志向”に洗脳された社員たち。
ああ、こんな職場から早く抜け出したい・・
そう思っていたものです。
どうせあと何年も、この会社で働くわけでもないだろうに、なぜそんなに会社に服従するのか不思議でした。
みんな体を壊したらどうするんだろう
自分の時間は必要ないんだろうか?
そんな”会社に従順な社員”も、1~2年もすると、辞めてどこかへ行ってしまいます。
今頃またどこかの飲食店で、連勤自慢でもしていることでしょう・・。
ということで、「飲食店の連勤は何日まで許されるのか」気になりますよね?
結論からいうと、連勤に関して法律ではあまり守ってくれません。
労働基準法では、週に1回の休みが基本なのに、おかしな話ですよね。
とはいえ、そのためには条件もありますし、残業時間には制限があります。
ちょっと詳しくみてみましょう。
もしかしたらあなたの会社は、労働基準法に違反しているかもしれませんよ。
飲食店の連勤って何日までみとめられるの?
飲食業だから、サービス業だからといって、疑問も持たずに、長期で連勤している人が多い飲食業界。
店長だから、マネージャーだから、休みはなくても仕方がないと、刷り込まれている人も多くいます。
では実際には、何日までの連勤が許されているのでしょうか?
ちょっとややこしいですが、ゆっくり見ていきましょう。
基本は、週に1回の休みが原則!
これだけだと、7日に1回は休めると思いますよね。
でもこの決まりだけでは、12連勤が可能なのは、おわかりでしょうか?
1週目の初日に1回目の休みを与えて、2週目の最終日に2回目の休みを与えれば、12連勤ですが、週に1回の休みの原則が、守られることになります。
(1週目)休勤勤勤勤勤勤 (2週目)勤勤勤勤勤勤休
つまり、通常でも12連勤までは、認められているというわけです。
でも、これだけではありません。
会社は「就業規則」に起算日を定めれば、週に1回ではなくて、4週間で4日の休みを与えればいいことになるのです。
週1回 → 4週4日
どちらでも同じことのように見えるかも知れませんが、これがあると12連勤どころか、24連勤まで合法的になってしまいます。
4週間の最初に休みを4日とれば、残りの24日を休みなしで働かないといけなくなるわけです。
休休休休勤勤勤 勤勤勤勤勤勤勤 勤勤勤勤勤勤勤 勤勤勤勤勤勤勤
ここで注意!
たしかにこの方法で、会社は従業員に24連勤させることは可能ですが、就業規則に4週4日の”起算日”を、定めておく必要があります。
起算日とは、4週を数え始める初日のことで、通常は入社に合わせて4月1日に定められることが多いようです。
これが定められていなければ、必ず週に一回の休みを与えなければいけません。
また、24連勤させることができるからといって、残業をいくらでもさせていいというわけでもありません。
残業をさせるには、「36協定(サブロクきょうてい)」を、締結させておく必要がありますし、残業時間には上限があるのです。
例えば1年の残業時間の上限である360時間を、4週4休制に当てはめると、1日の平均労働時間は8時間以内に抑えられることになります。
(※特別条項を除く)
もちろん残業時間、さらに深夜(22時~翌5時)には、それぞれ割増料金を付加して給料を計算しなくてはいけません。
理論上は48連勤以上も可能!
最初の4週間は、休みの4日を前に持ってきて、次の4週間は休みを最後の4日に持ってくれば、48連勤まで可能ということになります。
休休休休勤勤勤 勤勤勤勤勤勤勤 勤勤勤勤勤勤勤 勤勤勤勤勤勤勤
勤勤勤勤勤勤勤 勤勤勤勤勤勤勤 勤勤勤勤勤勤勤 勤勤勤休休休休
さらに「36協定」に定められていれば、休日に割増賃金で働かせることもできるのです。
まとめると
通常は週に一回の休みで、最大12連勤です。
これ以上の連勤には「就業規則」と「36協定」に、どう定められているかがで変わってきます。
就業規則:4週4休制の起算日、休日振替の定め等
36協定:残業、休日労働の定め等
就業規則も、36協定もなければ、そもそも12日を超える連勤や、残業、休日労働すら、させることはできないということです。
この2つは両方とも、従業員が目に届く場所に掲示したり、書面で交付するなどして、周知させることが義務となっています。
「そんなもの見たことがないし知らない」というのであれば、会社は違法行為をしている可能性が高くなるということです。
就業規則は10人未満の事業所には、必ずしも必要ではないことになっていますが、休みに関する規則は、労働者に周知させなければいけません。
店長はいくら連勤させられても仕方がない?
いくら連勤してても「店長だからしょうがない」と諦めている人が多いですよね。
マネージャーもまた然り。
残業代も、いくら働いても、決まった額しかもらえないと思っている人も、多いのではないでしょうか?
飲食業界内には、「店長は管理職だから、固定給で上限なく働かないといけない」という風潮がありますよね。
でもそれは大きな間違いです。
休日も他の授業員と同じように取ることができますし、残業代も他の従業員と同じ計算方法で支給されなければいけません。
なぜならば、店長は労働基準法上では管理職には当たらないからです。
いわゆる”名ばかり管理職”というやつです。
労働基準法上の管理職とは、経営者と同等の権限があって、それなりのお給料をもらっている人のことをいいます。
手取り20~30万円ほどの雇われ店長は、それにあたらないのです。
会社から「管理職なんだから我慢しろ」なんて言われているとしたら、騙されてると思って下さい。
まとめ
「働き方改革関連法」が施行されたとはいえ、まだまだ法が労働者を守ってくれる範囲は、狭いということがわかりましたよね。
4週4休制や、休日振替などを使えば、何連勤でも働かせることが出来るに等しいとも言えます。
でも実際には、労働者が「36協定」や「就業規則」のことを知らないで、会社の好き放題にされていることが多くないですか?
これだけ世の中には情報があふれているにもかかわらず、そんな会社に従い続ける労働者にも責任があるといえるかも知れません。
自分の身は自分で守らなければ、いけないのです。
週に休みが1回もないような会社にいても、未来はありませんよ。