飲食業で働いていたら、深夜に働かないといけない職場もあると思います。
毎日の方もいらっしゃるでしょうし、不規則なシフト制で週に2、3回という方もいらっしゃるでしょう。
もしあなたが
深夜労働がキツイ!
・普通の時間に働くよりもしんどい
・精神状態が良くない
・深夜に働くのは嫌だ
そう感じているなら、すでにリスクに犯され始めているのかも知れません。
将来や未来、家族にとっても大切なことですから、飲食業の深夜労働について、いちど真面目に考えてみましょう。
深夜労働とは?

深夜労働(深夜勤務)とは、夜の22時~翌朝の5時までの時間帯に働くことをいいます。
例えば、朝の10時から夜の23時まで働いたとすると、22時~23時の1時間が深夜労働になります。
早朝4時からの仕事だとしても、5時までの1時間は深夜労働です。
なぜ「通常の労働」と「深夜労働」を分けるかというと、深夜労働は人間の生活リズムに反する時間の労働だからです。
本来人間は、朝の日差しで目覚め、昼間は日光を浴びて、夜に就寝するというリズムで生活する生き物です。

その規則正しい生活によって、脳に必要な物質を分泌したり、ホルモンの成長を促進したり、体温を調整したりして、心身のバランスを保っているわけです。
食欲や睡眠、食べ物の消化や排便などを促したり、抑制したりしているのも、自律神経のバランスがとれているからです。
つまり深夜に働くということは、その人間にとって必要なバランスを崩すということになります。

その結果どうなるのかというと、大脳の働きがにぶり、情緒が不安定になりやすくなるので、ストレスが溜まり、あまり考えずに不満ばかり愚痴るようになったりもします。
大きなデメリットですよね。
だから、給料の条件を良くしてあげるために「通常の労働」と分けて、深夜手当の付く「深夜労働」としているわけです。
深夜手当はどれくらいもらえるのかというと
通常の2割5分増しです。
給料を時給換算したものに0.25(4分の1)プラスされることになります。
時給が1,000円だとしたら、250円プラスされて、1,250円になるということです。
1,000円×1.25=1,250円
深夜労働には制限や規制がある?

賃金は優遇されるとはいえ、大きなデメリットもある深夜労働ですが、就業規則などでの取り決めなどはあるのかというと、特にありません。
36協定(会社と労働者の同意)も必要ありませんので、シフトで決められたら従わないといけないことになります。
ただし18歳未満は、労働基準法61条1項によって、深夜労働が禁止されていますし、妊婦または産後1年以内の女性は深夜労働を拒否することができます。
例外として、16歳以上の男性は交代制の場合で、行政官庁の許可を得れば、夜は22時半まで労働させることができます。
深夜労働で生活にもデメリットが
深夜労働をすることによって、肉体的や精神的な健康面でのデメリットがあることは分かりましたが、生活のバランスが人と違うことによって、それ以外にもデメリットが出てきます。
・孤立しやすい
・電話や訪問で起こされる
・工事や選挙カーなどの騒音で起こされる
・ゴミ出しの時間が不便
これは筆者が実際に深夜労働をしていた時に、感じていたデメリットのほんの一例ですが、かなりストレスが溜まります。
飲食業は休日も平日が多いので、それでなくても知人と会うことが少なくなりますが、深夜に働いていると、さらに世間とはかかわりが少なくなって孤立してしまいます。
休みの日も、目が覚めたら夕方なので、することも限られてしまい、1日が無駄になったような気さえ起こるのです。
また、寝ている時間に電話がかかってくるのもキツイです。
普通の人が夜中の2時とか3時に、起こされるようなものですからね。
知人や家族ならまだしも、営業電話やNHKの訪問などは、本当にキレそうになりますし、自宅の近くで工事がはじまったり、選挙のシーズンなどは本当に最悪です。

時間帯によっては、ゴミ出しも大変です。
筆者が住んでいたマンションでは、夜中にゴミ出しをすることが禁止されていて、朝の時間に決められていたのですが、その時間は爆睡中という生活リズムだったので、苦痛でたまりませんでした。
他にも、仕事明けに飲みたくても店が開いてなかったり、遊びたくても帰るしかなかったりというのが寂しかったですね。
世間の人も、深夜労働を経験した人は意外と多いようですが、8割ぐらいの人がデメリットを感じているということです。
・なんだかんだ言って夜中は眠い
・夜中は変にハイテンションになる
・クリスマスなどの行事の日が寂しい
・友達がいなくなった
・寿命が縮んでいく気がする
・生理不順になった
飲食業の深夜労働のまとめ

深夜労働には「大きなデメリット」が潜んでいることがわかりましたよね。
世の中には24時間営業の店が増え、24時間インターネットで動画やゲームを楽しめる時代ですが、便利さだけを追求した挙句、人間が生物としての本来の生活から遠のいてしまっているようにも思えます。
昔とは質のちがう犯罪が増えていますし、引きこもりと呼ばれる人が全国に100万人以上いるという現代の社会も、そういったことが少なからず影響しているのではないでしょうか。
もちろん社会のせいだけにしていても始まりませんが、自分で管理できることは自分でしなくてはいけません。
もしあなたが、深夜労働がキツイだけで、メリットを感じていないのなら、できるだけ早めに対策をするべきです。
給料に満足していないのなら、一刻も早く辞めた方がいいでしょう。
なぜなら深夜に働いたところで、気が付かないうちに情緒が不安定になり、脳にストレスを貯めていくだけでしかないからです。
「夜型人間だから大丈夫」と言っているのは今のうちだけ。
今は大丈夫でも、必ずいつかキツくなります。
筆者も深夜労働しているときは「夜中に働いている人なんて、いっぱいいる」と思っていましたが、そんなことは理由になりませんよね。

飲食業はサービス業だから、多少遅くなることがあるのは仕方がないとしても、深夜遅くまで働かなくてもいい仕事はたくさんあるのです。
・体のリズムが良くなる
・気持ちが前向きになる
・友人や家族との時間が持てる
・休みの日を有効活用できる
・ゆっくり眠ることができる
深夜手当がつくから給料が高いですか?
そんなことありませんよね。
若いうちのバイトならまだしも、深夜に働く習慣はできるだけ早めに改善するに越したことはありません。
なんといっても体が資本なのですから。