悩み・トラブル

飲食業の従業員なら必見のパワハラ防止法!トラブルになる前に・・

パワハラ

飲食店で働いてきたのなら、上司から理不尽な暴言を吐かれたり、いじめのようなことが行われている現場を経験したという方も、多いのではないでしょうか?

酷ければ”うつ病”を発症したり、暴力によって身体的に傷つけられたことがある、という方もいらっしゃるかも知れませんね。

特に平成前半までは、当たり前に行われて節があり、筆者も今の時代に照らし合わせると、加害者でもあり、被害者でもあったことがあるとも言えます。

ブラック企業という言葉とともに、放っておけない社会問題にもなりつつあったのです。

 

そこで出てきた言葉が「パワーハラスメント」略して「パワハラ」です。

性的嫌がらせを意味する「セクハラ」に続いて、暴的な力での嫌がらせ「パワハラ」という言葉が一般的にも使われるようになったのです。

 

とはいっても、その定義や、一般の人のとらえ方も曖昧で、なんとなく、暴力やきつい言葉はパワハラになるぐらいの認識しかなかったと思います。

でもそうもいかなくなりました。

なぜなら

法律で「パワハラ防止法」が施行されることが決まったからです。

2020年6月から大企業での施行が決定され、中小企業ではしばらくの間は、努力義務という扱いになっています。

法律ですから、もう「知らなかった」では済まなくなったということです。

特に飲食業界では、起こりやすいパワハラ問題。

ちょっとした言葉遣いや知識の差で、自分が加害者になってしまうことも、十分にありえるので、最低限の決まりぐらいは知っておきましょう。

パワハラ防止法の施行開始

パワーハラスメントの対策が法制化されたものを「パワハラ防止法」と呼んでいますが、正確には「労働施策総合推進法」といいます。

2019年5月に可決され、2020年6月に施行されるわけですが、この段階では大企業に限定されます。

ジュンイチ
ジュンイチ
中小企業は猶予期間を与えられることが多いのです。
イクヨ
イクヨ
中小企業の方がパワハラ問題が多そうなのにね。

 

ちなみに、飲食業の場合、従業員が101人以上で大企業、100人以下なら中小企業という分け方ができます。(※5人以下だと小規模事業者)

では従業員が100人以下の中小企業は、どうでもいいのか?というとそうではありません。

大企業より2年遅れて施行される見通しとも言われていますし、努力義務という形で施行されているとも言えるからです。

つまり義務ではないけれど、努力はしないと違反になるということです。

そもそもパワハラの定義とは?

厚生労働省のパワハラ資料1

上司からの言葉に、傷ついたというだけで、パワハラが成立していたら、仕事になりませんから、パワハラの概念として、次の3つの要素がすべて当てはまることが定義づけられています。

厚生労働省の「職場のパワーハラスメントの概念」を元に、わかりやすくまとめてみました。

1、優位性を持ち
2、業務の適正な範囲を超えて
3、身体、精神、環境に害を与える

優位性とは、立場が上という意味ですが、何も上司というだけの意味ではありません。

経験や知識、資格をもった同僚、集団で嫌がらせをする部下なども、これにあたると考えられます。

そういった人たちに、常識では考えられない行為や言動を受け、体や心に傷を負ったり、職場環境を害されることが、パワハラにあたるということです。

上記の概念を元に、いくつか例を挙げてみました。

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ワンマン社長に ゴキブリ扱いされて 精神的に傷ついた。
先輩に タバコを買いに行けと 蹴られた。
アルバイト全員が 集団で無視をしてきて 自分の仕事に支障が出た。

他にも変わった例として、退職に追い込むために、能力に見合った仕事を与えない、といったものや、パートナーや配偶者との関係など、プライベートを詮索するというようなものもありました。

パワハラ以前に犯罪であることも・・

上司に暴力を振るわれたり、みんなの前で屈辱的な暴言を吐かれたり、知られたくないことをばらされたり・・。

こんなパワハラは、絶対に許せないですよね?

というか、パワハラがどうとかいう前に、これって立派な犯罪ですよ。

殴られたり蹴られたりはもちろん、胸ぐらをつかまれるのも暴行罪に当たりますし、周りに従業員やお客さんがいるのに、大声でバカにされれば侮辱罪、知られたくない事実を公表されることで社会的地位が下がれば名誉棄損罪に当たります。

侮辱罪と名誉棄損を、軽くみている人が多いのですが、刑事事件として逮捕されるケースもあるので、注意しなければいけません。

パワハラ防止法とは

パワハラが禁止!というよりは、パワハラが起きないように、会社で防止策を取りましょうというのが「パワハラ防止法」です。

会社に防止策を義務付けるという意味では「パワハラ防止義務法」といった方がしっくりくるかもしれません。

ではパワハラ防止法の概要を見てみましょう。

・パワハラについて相談できる体制を整える
・相談者に不当な扱いをしてはいけない
・研修の実施などを配慮する努力
・事業主自らも言動に注意しなければいけない

大きくは、相談できる環境を用意しましょうということですね。

相談した人に不利益が生じないように、プライバシーにも考慮しないといけないし、研修などの実施もしなければいけない。

そもそも大きな企業でないと、無理な気がしないこともありませんが、具体的にはどういった行動をとっていくのでしょうか。

・会社のパワハラに対する方針を従業員に周知させる
・相談できる場所をつくり解決できる体制をつくる
・被害者のケアや再発防止への取り組み

相談するにしても、そういった体制があることを従業員全員に周知させないと意味がありませんし、会社内の出来事なのですから、できれば解決に向かうように持っていきたいものです。

本当の解決とは、被害者にあった人のケアと、再発防止ですから、その事件を糧に、会社を改善していけるように、取り組んでほしいものです。

パワハラ防止法には罰則がない!?

もしパワハラ防止法を守らなかったら、会社は懲役や罰金などの罰則を受けるのか、気になるところですよね。

ですが、パワハラを防止するための対策の義務を怠ったとしても、基本的には罰則を受けることはありません。

行政指導を受けるだけなんです。

それでも改善しないなら、会社名を公表される可能性もあるということですが、何ともユルイ罰則ですよね。

飲食業とパワハラ防止法まとめ

飲食業と関わりの深いパワーハラスメント。

その改善策として施行される「パワハラ防止法」について、まとめてきましたが、いかがでしたでしょうか?

実際には大企業(従業員が101人以上)のみが対象で、中小企業に適応されるまでは、もう少し時間がかかりそうですね。

筆者としては「就業規則にパワハラに対する会社の方針を記載して、従業員全員に周知させる」ということを法律で義務付ければ、中小企業でもすぐに対応できるし、よほど効果的なのではないかと思うのですが・・。

 

とにかく昔とは、世間の常識も変わってきました。

何かにつけて「セクハラですよ。」「パワハラですよ。」といわれる立場の人もいるかも知れません。

何が正義で何が悪なのかもわからなくなってきますよね。

 

どちらにしても、会社がいい加減なのがいちばんよくないことだと思いませんか?

たとえ中小企業であったとしても、努力義務として、何らかの行動を起こす会社ならいいですが、上司自体がパワハラをするような会社に未来はありませんから。

パワハラ防止法が、少しでも「飲食業の労働環境が良くなること」へのきっかけになってくれれば、そう思います。